U字ロックの落とし穴

私はエアコンが苦手だ。設定温度を下げると冷えすぎてお腹を下してしまうし、設定温度を高くすると湿気がひどくてかえって不快指数が上がるからだ。だから去年の猛暑のときも、なるべくエアコンを使わないよう、窓を開けて風通しをよくしていた。玄関を全開にするのは物騒なので、U字ロックを使って少しだけ開けていた。こうすれば防犯面においても安全だと思っていたのだ。

ところがある日、外出しようと戸締りを全て確認した後、私は表に出た。ところがU字ロックが半分閉まった状態だったのに気付かず、思い切りドアを閉めた反動で、内側で勝手にU字ロックがかかってしまったのだ。再びドアを開けたときには、U字ロックのせいで少ししか開けられなくなっていた。私は焦った。これってつまり、締め出されたということ?夫に連絡すべきか?いや、この前も車でインロックしてしまい怒られたばかりだ。消防車を呼ぶ?いやいや、大事にはしたくない。私は何とか自分で解決しようと、ネットで外からU字ロックを外す方法がないかと調べてみた。すると…外側から簡単に開けられる方法が載っているではないか。私は早速その方法で、無事外からU字ロックを外すことができたのである。めでたし、めでたし。

…ん?これってめでたいのだろうか。よく考えたら、この方法を使えば誰でも外からU字ロックを外せるということだ。防犯のつもりでずっとU字ロックを使っていたけれど、こんなに簡単に開いてしまうなら、それはつまり無施錠と同じってことである。思いがけないU字ロックの落とし穴だ。

そのことに気づいてからというもの、私は二度とU字ロックを使っていない。U字ロックを外側から外して犯罪行為に及ぶという事例もたくさんあるそうだ。U字ロックをカギと同じ扱いにしている人は多いと思う。
「U字ロックはカギではない」その事実がもっと周知されるべきである。